iPhone7 液晶パネル分解の注意点まとめ

iPhone7、7Plusの液晶パネルの分解の際、純正パネルのケーブル類を傷つけてしまっている事例が増えています。

弊社に送られてきたガラス割れパネルの中にも、タッチが効かない、誤動作を起こしているものが見受けられることがあります。恐らく修理前まではただのガラス割れだったとは思うのですが、残念ながらこのような液晶パネルはリサイクルに使用する事はできません。

 

しかし、修理の際に注意して分解していただく事で、液晶パネルを傷めるリスクをかなり減ららすことができます。安全な修理のために、ぜひご一読ください。

 

 

液晶ケーブルの構造の確認

iPhone7の液晶パネルの裏面です。液晶下部から伸びた平たいケーブルを折り返すようにして、銀色のヒートシンクプレートで固定しています。従来の液晶パネルに比べ、「ケーブル自体が細く繊細な構造になった」こと、さらに「露出面積が増えている」ので、ここに負荷をかけないように分解する事が極めて重要になります。

 

 

①iPhone7の全開は厳禁!!

まずはiPhone恒例の本体下部のネジ2本を取り外した後、四方の粘着テープを切るように剥がし、液晶パネル上部のツメを下方向にスライドさせて外した後、本体右方向に液晶パネルを開きます。

 

この時、絶対にそのまま180度オープンしてはいけません!!

液晶パネルから伸びているケーブルはもちろん、本体上部に接続されている近接・インカメラのケーブルも傷つけてしまう恐れがあります。上の写真のように90度程度で止め、できれば背中側を何かに立て掛けるなどして安定させ、まずは液晶パネルとインカメラのケーブルを取り外しましょう。

 

 

②近接センサー・インカメラを安全に取り外す

液晶パネルを安全に取り外すことができたら、続いて液晶パネル側に組み付けられたパーツを順番に分解していきます。

まずはパネル上部のイヤースピーカーと近接・インカメラを取り外します。

 

 

全部で6本のネジを外してインカメラをケーブルごと起こせば、イヤースピーカーを外す事ができます。次に近接センサーですが、上の写真のように向かって右方向からマイナスドライバーや細いヘラ等を使って持ち上げます。

 

 

こちらが近接インカメラを取り外した状態の写真です。従来のiPhoneと同様に、近接センサーの周囲には透明なプラスチックの枠が付属しています。先程の近接センサーを起こす工程では、センサーそのものではなくこのプラ枠を狙うようにして剥がしましょう。裏表になるのでちょうど右側にプラ枠がはみ出ている形になっています。枠ごと持ち上げれば近接センサーに負荷をかけることはありません。

 

③ホームボタンには細心の注意を!!

続いては、パネル下部のホームボタンの分解です。iPhone6s以降、Touch ID付きホームボタンは液晶パネル上のコネクタを介して基盤と接続されるようになりました。もちろん7系や8系もホームボタン自体は液晶パネルに接続されています。

 

既にご存知の方が大半だとは思いますが、iPhone7以降のホームボタンは物理クリック機能を廃止し、通常のボタンを押す動作も感圧センサーに依存するようになりました。そのため、一度ホームボタンを傷つけてしまうとパーツ交換では絶対に修理不可能になります。

 

液晶パネル分解の際に最も注意すべきパーツといって間違いない箇所ですので、万が一にも傷付けないよう細心の注意を払いながら作業しましょう。

 

 

ホームボタンを固定している4つのネジとプレートを外したら、ホームボタンのコネクタを外します。この時、上の写真の様にヘラ等の薄いものを縦横2枚使って、コネクタ同士のみを上下に開くようなイメージで力をかけると安全に取り外しやすいです。この場合、ホームボタンのケーブルやチップに負荷をかけないよう、ホームボタン側のヘラは下に押さえつけ、もう一方を持ち上げるようにして開きます。

 

(上のホームボタンの写真、ちょっと説明が分かりづらい角度になってしまいました・・・すみません。

写真上部の黒いヘラは、ホームボタンケーブルを守るために下側に固定、写真左側から伸びる金属のヘラで持ち上げて外しています。)

 

また、ホームボタン自体を剥がす時もできればアルコール系の洗浄剤や剥離剤等を使ったり、パネル自体を温めたりして粘着を弱めてから取り掛かると安心です。

 

④ヒートシンクプレートの粘着に注意!!

最後に液晶パネル裏面のヒートシンクプレートを剥がします。左右計6本のネジを外せばプレートが浮くようになりますが、プレートの裏面と液晶パネルのケーブルは粘着テープで止められています。ここでうっかりプレートを持ち上げすぎてしまうと、最後の最後で液晶のケーブルにダメージを与えてしまいます。

 

 

ここも安全に剥がすには、ホームボタンと同じく粘着を弱めた上で、向かって下側からヘラを差し込んで粘着を切っていきます。上の写真では金属ヘラをアルコール系の溶剤で濡らした状態で差し込んでいます。

 

プレートを開き気味にすれば、液晶パネルの上方向からヘラを入れることも可能ですが、上記の通り液晶ケーブルに負荷をかける恐れがありますし、プレート下部のネジ受け穴部分が曲がってしまいますので、やはり止めておきましょう。

 

 

完全に剥がした状態の液晶パネルとプレートの写真です。ケーブルがどのような形で走っているか、粘着テープがどこに貼られているか、確認してみて下さい。

 

粘着テープはケーブル全体に貼られている訳ではないので、まずは比較的安全なホームボタン付近(下側中央)を剥がします。液晶パネル左側は粘着テープも少なく、細いケーブルを傷つける恐れがあるので、反対のホームボタンコネクタの右側からヘラを入れるようにして粘着を剥がせば、安全に取り外せると思います。

 

 

おわりに

いかがでしたでしょうか?

 

正直言って、今までのiPhone修理の通例から考えると時間と手間もかかりますし、ちょっとビビりすぎじゃないかと思われたリペアマンもいらっしゃるでしょう。

 

しかし、iPhoneは世代を経るごとに新しい機能が増え、パーツは複雑化し、結果として部品代も高騰してきているのは皆様ご存知の通りです。液晶パネルは修理の際に破損させてしまえばただのゴミになってしまいますが、安全に取り外して再生すれば、また新たな利益を運んでくれます。

 

以上の情報が、少しでも皆様の修理のお役に立てれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。