iPad mini ホームボタンの修理と移植は可能なのか?

○『iPad miniのホームボタンは修理できますか?』

 

先達て、修理業者様からこんなお問い合わせをいただきました。

iPad miniシリーズは全4世代のうち、1~2世代のデジタイザ(タッチセンサー付きフロントガラス)が供用となっており、ホームボタンはそこに取り付けられ、デジタイザのコネクターを介してメイン基盤と接続する形となっております。

ちなみに3世代目から指紋認証付きホームボタンが搭載されたため、交換=Touch ID使用不可となってしまうのはiPhoneと同様です。

 

○まずは構造を確認しましょう

 

具体的にどういった構造になっているのかと申しますと・・・

 

 

こちらが、iPad mini1/2供用デジタイザ(白色)です。弊社ではホームボタンが初めから搭載されたものをお取り扱いしております。

『ホームボタンは移植すれば要らないんじゃないの?』と思われた方もいらっしゃると思いますが、今回はこの点を詳しくご説明致します。じっくりお付き合いください。

 

裏側のホームボタン周辺に注目してみましょう。

 

 

 

このように、ブリッジで固定されたホームボタンのクリック部分から細めのフレキシブルケーブルが左側に伸びて、デジタイザーのケーブルに繋がっています。

どのように接続されているのか、ケーブルをゆっくり起こしてみると・・・

 

 

 

 

はんだ付けされた接点が8つ見えます。

ホームボタンの移植を考える時、ここが最大のネックになります。実寸1センチ程度の小さなポイントに、1ミリサイズで載せられたはんだを、慎重に、確実に接着させなければなりません。温度管理や作業を失敗すれば、ホームボタンが使えなくなったり、最悪の場合デジタイザー自体が破損するというケースも考えられます。

 

そして筆者の個人的な感想を率直に申し上げますが、面倒くさいです(笑)

 

 

○はんだ移植が必須なデジタイザーも存在する!

 

 

 

 

さて、こちらは同じくiPad mini用として某所で販売されているデジタイザですが、ご覧の通りホームボタンはありません。代わりに、デジタイザのケーブルの横にはんだ接点が露出しています。

 

が、注目して頂きたいのはそこだけではありません。

 

iPad miniの修理経験者であれば、作業工程を思い出して違和感に気付いていただけるでしょうか。

 

 

 

なんと、ホームボタンだけでなくデジタイザのコネクター部分までありません!

コネクター部分も修理する人間が移植しろということでしょうか。なんという玄人向け商品・・・!!

筆者の個人的な感想を率直に申し上げますが、面倒くさいが過ぎる。

 

 

 

 

 

ちなみに弊社商品にはコネクターも必ずセットになっております。

正確にはこのような形で、ケーブルとコネクター部分がはんだ付けされています。上部の実寸2センチ程度の幅に2段に並んだ縦長の点一つひとつが、はんだ接点です。さらに御接触や漏電を防ぐため、黄色い絶縁テープで保護されています。

ホームボタンもコネクタもご用意ができておりますので、デジタイザ交換の際はすぐに載せ換えが可能となっており、シンプル&スピーディーに作業できます!

 

○結局、修理は難しいのか・・・?

 

・・・話が脱線しましたが、つまるところホームボタンケーブル自体を交換・移植するには多大な労力と、かなり繊細な技術力が必要になる事はご納得いただけたかと思います。

 

 

『結局、ホームボタンの修理って不可能なんじゃないの?』

 

 

実は、状態によってはそうでもない場合もございます。

一般的に、「ホームボタンが壊れた」と言われる故障のうち、症状と原因を分類すると大まかに以下のようになります。

 

①押しても何の反応も無い

・ホームボタンケーブルの破損 →はんだ交換(難易度高め)

・デジタイザ側ケーブルの破損 →デジタイザ交換

 

②強く押さないと反応しない

③ボタン自体が内側に陥没している

・ホームボタン接点が外れた、ずれた →分解後、ブリッジ部分を絶縁テープや接着剤等で再固定

 

④ボタンを押してもカチカチ手応えが無い

・クリッカー部分が潰れた →クリッカーのみ部品交換または調整

 

という感じで、最終兵器はんだ移植に頼らなくとも調整等で復旧できる可能性も十分あります。

ちなみに④のクリッカー部分というのは、iPhoneやiPadの大概のボタンに入っている、ボタンのカチカチ感を生み出し、さらにはボタンの接点も兼ねる部品のことです。

 

 

 

 

大きくて見やすいのでiPhone6のホームボタンの写真をご用意しました。中央に見える黒い台座の上、銀色のプレートと、中央に乗った黒いポッチがそれです。

 

ここの移植交換も細かい作業になるものの構造は極めて単純なので、いつかご紹介できればと思っております。

 

 

○まとめ

 

いろいろと脱線の多い今回の記事ですが、総論としては、

『iPad miniのホームボタンは移植できるが、はんだの知識・技術が必須』

『移植交換しなくても直せるケースも多々ある』

 

そして何より、

 

『デジタイザごと交換した方が遥かに手っ取り早い』

 

・・・販売側の都合が見え隠れしないでもない結論ではありますが(笑)

実際、筆者もはんだ移植に挑戦した事は何度かありますが、作業は細かい、手元は熱い、部品は熱で歪む、それなのにはんだは溶けるのも固まるのも速いのでスピードが要求される・・・とかなり難儀をしました。

 

デジタイザごと交換をお勧めする最大のメリットは、作業工程が通常のデジタイザ交換と全く同一であるという点です。ホームボタンの分解・調整やはんだの知識が無くても、すぐに修理を完了できます。前述のホームボタン故障の分類分けも根本的に解決できます。

 

弊社ではデジタイザ等各種修理パーツのご用意と、故障内容についてもお問い合わせ頂ければご回答いたします!

『こんな場所が壊れてる』『こんな症状が出てる』等、修理店舗様でご不明な点がございましたら、ぜひお問い合わせください。