中国ひとり旅 vol.4 – 武漢加油!(前編)

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広元から明月峡に向かう記事の途中でしたが、今回と次回は番外編です。

皆さんもご存知の通り、新型コロナウイルス (SARS-CoV-2, COVID-19)の影響で中国武漢市をはじめとする湖北省の都市は、2020年3月8日の時点でまだ閉鎖が解かれていません。中国の医療や経済に関しては、専門家の方々がネット上に多くの記事をアップされていますので、こちらでは2011年にひとり旅で訪問した武漢の様子について書いてみたいと思います。

武漢、日本語読みでは「ぶかん」ですが、中国語では「うーはん」と発音します。武漢は紀元前の古くから、長江と漢江が交わる水運の要所として栄えてきました。

武漢市は、人口は1089万人(※)、面積8569キロ平方メートル(※)の大都市で、武昌、漢口、漢陽の3つの街から成り立っています。武昌は教育と政治、観光の街として、漢口はビジネスと商業の街として、漢陽は自動車産業を中心とした工業の街として、それぞれの役割を担っています。歴史上では、日中戦争の際に中華民国が1年間の臨時政府を置いた都市として知られています。

※いずれも2017年の統計

武漢市は、北京と広州の南北のラインのちょうど中間に位置し、かつ上海と成都を結ぶ東西のラインの中間にも位置しており、中国の物流の要として、地政学的にも重要な役割を持っている都市でもあります。


2011年1月25日。湖北省武漢市への旅立ちは、広東省広州市の広州南駅から高速鉄道で。武漢行きG1094次の2等車の切符を購入する予定でしたが、あいにく2等車は全て満席。次の列車だと武漢への到着が遅くなるため、料金は高くなりますが1等車の切符を購入することにしました。当時は円高(1ドル=82.5円!)で、中国元のレートは1元=12.5円でした。780元のこの切符は、日本円換算で9,750円となります

2011年当時の高速鉄道は、広州〜武漢、武漢〜南京〜上海、上海〜杭州〜福州、天津〜北京など、ごく僅かの路線しかありませんでした。しかしながら、この年の6月30日には北京〜上海の高速新線も開通、2012年12月には武漢〜北京西間が開通し、北京〜鄭州〜武漢〜長沙〜広州と南北の主要都市を結ぶ京広高速鉄道が全通します。2018年には中国深圳〜香港間の路線も開通し、ついに北京から香港までを直通する高速鉄道が走り始めます。

現在は、建設計画となっていた中国国内の多くの路線が開通していますが、近年はラオスやタイなど国境を越えた路線の建設の着手も進んでいます。


乗車前の広州南駅の様子。ドーム型の屋根と、

アップしている画像ですが、手ブレや白飛びしているものが多いことに気がつくと思います。2011年1月当時、所有していたスマートフォンはiPhone 4でした。他のデジタルカメラも所有していましたが、この時の渡航はiPhone 4だけで撮影の記録を行なっています。今回の記事も、iPhone 4の画像を加工せずにそのまま紹介しようと思います。


広州北〜武漢間の高速新線は2009年に開業、営業列車の最高時速は世界一の350km/hでした。今回乗車した列車も、車内のLED表示にて350km/hを示すことが度々ありました。

なおこの半年後、2011年7月に温州で高速鉄道の追突脱線事故があり、その影響で最高速度350km/hだった区間は、2017年まで一時的に300km/hに引き下げられます。

武漢駅には21:45に到着。時刻表の予定よりも6分早く到着しました。中国の鉄道では、前方に列車が走っていなければ早く到着することがあるようです。広州南から武漢まで、途中の6つの駅に停車し1069kmの道のりを3時間51分で走破。表定速度(途中駅での停車時間を含む平均速度)は277.7km/hとなりました。日本で一番表定速度の早い列車は、東京〜博多間の新幹線のぞみ号で224.3km/h(2019年3月時点)で、それを大幅に上回っています。武漢行きの列車は、途中の駅で2分停車したり、駅の前後ではゆっくり走行することも多かったので、まだまだ高速化のポテンシャルを秘めているようでした。

さあ、ここからです。海外旅行(出張)での難関の一つは、初めて訪問した土地でのホテルまでの移動です。今回は、あらかじめ武昌駅の近くにあるホテルを検索し、事前にインターネットで予約を行っています。今でこそ武漢市内には9路線の地下鉄(軌道交通)が走っていますが、当時は1路線しかなく、しかも武漢駅にも武昌駅のどちらにも乗り入れは行われていません。そんな時はバス移動です。


空港と市内を結ぶエアポートバスがあるように、中国では高速鉄道の駅と市内を結ぶ「高鉄巴士」が運行されています。乗り場の近くにあるチケット売り場で、武昌駅に向かうバスの切符を購入します。価格は12元(約150円)で、燃油サーチャージを含む(含燃油附加費)という文字も見えます。

中国のバスでは、運転手さんは現金の受け渡しを行うことはできないようで、事前に切符売り場で目的地までの切符を購入するか、車内にいる車掌から切符を購入する、ワンバンバスの場合は運賃箱で精算する、といういずれかの方法で乗車と料金精算を行います。空港や駅などで、停留所に留まっているバスを見つけて、間に合った〜!と思って走っていっても、切符を持っていないとそのまま置いてけぼりを食うことがあります。

走るバスの中から、武漢市内の道路の様子を撮影。iPhone 4のカメラではこれがシャッタースピードの限界で、画像がまあまあブレています。ノイズも多めですね。

乗車したバスでは一般座席が空いておらず、バスガイドさんが座るような最前列ドア横の補助席があてがわれました。その座席も、椅子の留め具がしっかり固定できず、少し前方向に斜めになっています。足を踏ん張りつつ背もたれに背中を押し当てて、なんとかバランスを保ちます。なかなかキツイ座席でしたが、街の様子が手に取るように見えるので、意外と特等席ではないかと感じました。

バスで移動中、自分がどの辺りにいるか常にGoogle Mapsアプリでチェックします。9年前のiOSのバージョンは4.2.1、Google MapsのiPhoneアプリはこんな画面でした。今見返してみると、2011年1月当時は中国国内でもきちんとGPSの位置が反映していますね。2020年現在は、Google Mapsを使うと位置がずれて表示されます(航空写真にすると正常表示)。今では渡航時に使う地図アプリは、中国製の百度地図(Baidu Maps)の頻度が多くなっています。

移動しながら、翌日乗車予定の列車をチェック。2011年1月26日時点での武昌(武漢)から上海への高速列車は4本しかありませんでした。2020年では34本にまで増えています。昨今の中国の高速鉄道網の充実には目を見張るものがあります。

武漢の街を約40分ほど走って、武昌駅の近くの降車場に到着。ここで全ての乗客が降車し、バスの下部に設置されたトランクルームから荷物を取り出します。

「お前の泊まるホテルはあそこだろ」と、バスの運転手さんが通りの向かいにある立派なホテルを指差しました。自分はあっちだよ、と別の方向を指さすと、なんとその運転手さんが回送を兼ねてバスで送ってくれることになりました。

武漢に来た日本人は、運転手さんが指差した立派なホテルに宿泊するのが、どうやら一般的のようです。僕が予約したホテルは、その降車場から東へ約500mのところに立地しています。

バスの運転手さんにお礼を言い、今回予約した格林豪泰酒店(Green Tree Inn)に到着。中国全土に展開するチェーン店です。

ホテルに入ると、それほど広くないロビーがあり、奥にフロントが見えます。23時前のこの時間、ロビーには僕以外に宿泊客は誰もいません。フロントに進み、ジャンパーを着込んだ20歳くらいの小柄な女性スタッフに声を掛けてチェックインします。手続き中、ふとフロントデスクに目をやると、ページを開いたままの日本語のテキストがありました。彼女はフロントの仕事の合間に、ここで日本語の勉強をしていたようです。さきほどバスの運転手が指差した立派なホテルのスタッフならともかく、日本人はあまり来ないであろうこちらのホテルで働く女の子が日本語を学ぼうとしていたことに、とても驚きました。

チェックインが済み、客室に到着。思っていたよりも綺麗な部屋で安心しました。2010年に初めて中国で宿泊した深圳のホテルも綺麗でしたが、今回のホテルも良い感じです。

中国での洋式トイレは、なぜだか不明ですが背面の方にトイレットペーパーが設置してあるのが一般的です。横にあるのはなかなかのレアケースです。

さて、部屋に荷物を置いて、これから武昌駅の方へ外出します。鍵を預けるためにホテルのフロントに立ち寄ったら、先ほどの女性スタッフに「”だんな”ってどう意味ですか?」と質問されました。「だんな」というワードは、時代劇ではよく聞きますが、今の日本人はほとんど使いません。なかなか渋いワードを覚えようとしているのだなと思いましたが、どう答えて良いか迷いつつ、ひとまず「夫や彼氏、という意味だよ」と伝えておきました。

(後編に続く)

取材日:2011年1月25日

執筆:沖田 貴(沖田事務所 代表)
Apple製品修理・サポート、設定作業、データ移行、ITセミナー
中国現地アテンド
https://okitajimusho.jimdofree.com

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